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公務員の兼業と一般社団法人の設立について〜1.定款の作成について〜

皆さまこんにちは!
 今回からいよいよ「一般社団法人の設立」について具体的にお話させて頂きます。
設立までの大まかな流れとしては以下のとおりとなります。

  1. 定款を作成する
  2. 公証人の認証を受ける
  3. 設立登記

~1.定款の作成について~

 定款とは、法人設立時に発起人全員の同意のもとで定める法人の根本原則が記載された「法人の憲法」とも呼ばれる重要な書類となります。
 定款作成については以下の3点に留意して頂く必要があります。

(1)絶対的記載事項

 必ず記載する必要がある項目として、「目的」「名称」「主たる事業所の所在地」「設立時社員の氏名又は名称及び住所」「社員の資格の得喪に関する規定」「広告方法」「事業年度」の7つがあります。また、定款には法人の事業内容について記載することになりますが、ここでは今後、事業として取り組む可能性のあるものを全て網羅して頂くことをお勧めします。一旦、登記を完了した定款を変更するためには、それなりの手続きや費用がかかってしまうため、最初の段階で法人の目的に係る可能性のある事業は全て列挙しておいたほうがよいでしょう。また、定款に書かれた事業目的以外の事業を行っても罰則はありませんが、場合によっては事業登録が出来ないなどの支障をきたす可能性がありますので注意しましょう。当然、公序良俗や各種法令に反する事業は認証されませんので合わせて確認しましょう。
 「広告方法」についてですが、「電子公告により行う」を選択する場合は、該当するURLを記載する必要がありますので、あらかじめ法人のHPを開設しておくか、独自ドメインを取得しておきましょう。
 「主たる事務所の所在地」についてですが、都道府県までに留めるのではなく、市町村までしっかり記載することをお勧めします。市町村によっては、創業支援をはじめ、様々な補助事業を実施している場合があります。その申請要件として、「市町村内に主たる事務所を有すること」という項目があり、定款にしっかり記載しておかないと補助対象にならない場合がありますので注意しましょう。
 「事業年度」については「毎年1月1日から12月31日までとする」ことが一般的です。

(2)相対的記載事項

 相対的記載事項とは記載しなければ効力を生じない項目となります。例えば、「理事会等の機関の設置」や「基金に関する定め」などがあります。
 また、以前にもお話させて頂きましたが、下記のように記載しても効力が生じない事項もありますので注意しましょう。

  • 「社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨」
  • 「法の規定により社員総会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の社員総会以外の機関が決定することができる旨」
  • 「社員総会において決議をする事項の全部につき社員が議決権を行使することができない旨」

(3)基金

 「基金」については、定款に記載しておかないと活用できないので、ぜひ記載しておくことをお勧めします。
 基金の詳細については、法務省HP『一般社団法人及び一般財団法人制度Q&A』を参照頂ければと思います。
 お勧めの理由としては、法人設立の直後はまだ売上が発生していない場合が多く、法人口座に現金がありません。そのため、諸々の費用は未払金として計上し、事業主が立て替えることになります。
 基金を活用すれば、売上とは別に法人口座に現金を入れることが可能です。また基金についてはいずれ返還されるので、このように搬出する側の視点に立った場合、資金調達の手段として非常に有効です。
 基金の取り扱いの詳細についてはまた別の機会にお話しさせて頂きます。

 今回は、有料記事部分において当法人が実際に作成した以下の資料を公開させて頂きます。法人設立を検討されている方は是非、ご参照頂ければ幸いです。
 こちらを参考に、必要な部分を修正するだけで簡単に定款の作成ができます。
 ※掲載資料の2次利用については固くお断り致します
 

(掲載資料 PDFファイル)

  • 一般社団法人Studio Biwako 定款

 
 さて、次回は「~2.公証人の認証を受ける~」についてお話しさせて頂きます。最後までお読み頂きありがとうございました!

ここからは有料記事となります。