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公務員の兼業と一般社団法人の設立について〜4.設立後にすべきこと〜

皆さんこんにちは!
前回に引き続き、「一般社団法人の設立手続き」についてお話させて頂きます。
今回のテーマは「設立後にすべきこと」です。

すべきことは主に3つ

 設立後にすべきことは法人の形態(報酬や従業員等の有無)によって変わってきますが、今回は当法人のように収益事業を行う一般社団法人であり、かつ無報酬の社員で構成されるという状況でお話させて頂きます。
 おそらく、公務員が法人を設立する場合、このパターンになることがほとんどかと思われますので、その点も踏まえて参考にして頂ければと思います。
 設立後にすべきことは以下の3つとなります。

  1. 法で定められた備え置く書類等の準備
  2. 税務署等への必要な届出
  3. 法人口座の開設

法で定められた備え置く書類等の準備

 まず、1.「法で定められた備え置く書類等の準備」について、一般法人法の関連条文を見ていきましょう。

===============================================第十四条 設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)は、定款を設立時社員が定めた場所(一般社団法人の成立後にあっては、その主たる事務所及び従たる事務所)に備え置かなければならない。
第三十二条 一般社団法人は、社員名簿をその主たる事務所に備え置かなければならない。
第五十七条 社員総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。
2 一般社団法人は、社員総会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
第百二十三条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。
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 これに従い、定款、社員名簿、議事録を備え置き、設立時賃貸借対照表の作成を行いましょう。

税務署等への必要な届出

 次に、2.「税務署等への必要な届出」を見ていきます。
届出先は、税務署・都道府県税事務所・市役所の3か所となります。それらに、定款と履歴事項全部証明書(税務署は不要)の写しを添付し、法人の設立届を提出しましょう。
 また、税務署には必要に応じて「給与支払事務所等の開設届」「青色申告の承認申請書」などを提出します。
 無報酬の社員のみで報酬の支払いが発生する予定がない場合は「給与支払事務所等の届出書」は不要です。

法人口座の開設

 その後、必要に応じて3.「法人口座の開設」を行いましょう。
法人口座の開設は以下の3つのうちから選ぶとよいでしょう。

  • 大手銀行
  • 地方銀行
  • ネット銀行

 それぞれに長所と短所があるかと思います。例えば、大手銀行は信頼と実績がありますが、口座管理手数料が割高です。地方銀行は大手銀行と比べて信頼と実績が見劣りする分、口座管理手数料が安く、より親身な対応が期待できます。ネット銀行については安くて早いですが、大手銀行や地方銀行のようなサポートは期待できません。
 当法人の場合は、海外顧客とのやり取りを想定してネット銀行を選択しました。

 開設にあたっては、必要に応じて銀行提出用の定款、履歴事項全部証明書、印鑑証明書、本人確認書類等を準備しましょう。
 また、法人口座の開設には一定の審査期間を要します。是非、この期間に社寺仏閣を訪れて商売繁盛を祈願してはいかがでしょうか。

 ここまでの手続きを終えると、いよいよ事業に着手することができます。なお。従業員がいる場合は社会保険、労働保険関係の届出義務も発生するのでご注意ください。

 以上で「設立後にすべきこと」についての説明を終わります。次回は「公務員による設立の留意点」について解説させて頂きます。最後までお読み頂きありがとうございました。

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